マイタケMDフラクション
マイタケMDフラクションとは、マイタケ(舞茸)から抽出された高機能性の多糖体成分で、特に免疫力を高める作用が注目されています。正式には「MDフラクション」と呼ばれ、マイタケの「M」と、抽出工程で得られた「Dフラクション」を組み合わせた名称です。
国内産マイタケの子実体に豊富に含まれる多糖類のうちβ-1.3D/β-1.6D配列分画成分を抽出精製して製造される。この製法は特許番号2859843で国内及び米国で登録されています。

■マイタケ(舞茸)はキノコの王様
マイタケ(舞茸)の科学名称(ラテン語)は、Grifola frondosa(グリフォーラ・フロンドーサ)といい、イタリアではこの名称で呼ばれており、体の半分がライオンで、もう半分が鷲の想像上の動物に由来します。日本では、マイタケ(舞茸)は東北地方に自生するキノコです。マイタケ(舞茸)には傘がなく、波状のウェーブがある姿をしており、楢の木のふもとあたりに株ごとに生えてきます。
日本人にとってはこのキノコの様子が蝶の舞いのように映ったらしく、文字どうり、舞う茸と名付けたといわれます。もう一つの名前の由来は、マイタケ(舞茸)はとても珍しい上、味もよし、病にも効く、と珍重され、山奥でこのキノコを見つけたものが喜びのあまり踊りだすというところから舞い茸と呼ばれるようになったという逸話もあります。確かに、日本の封建制度の時代には将軍に献上するため、この地の領主が、マイタケ(舞茸)を見つけた村人には同じ重さの銀を交換に与えた、という記述があります。
マイタケ(舞茸)にはいろいろな特徴があります。前述したように、免疫を活性化する作用のある“サルノコシカケ科”のなかで、唯一、食べられるキノコです。しかも、巨大なキノコで、時には直径20インチ(約50cm)にもなります。一株の重さが100ポンド(約45Kg)に達することもあるとか。確かに、「キノコの王様」の風格があります。
栄養学的には、食物維持、ビタミン類、ミネラルが豊富で、特に亜鉛、ナイアシン、ビタミンDが多く含まれています。このため、マイタケの乾燥粉末または多糖類を分画抽出(フラクション)した成分の免疫賦活等への応用研究が進められています。
マイタケ・成分の研究
多くの研究はマイタケ成分の多糖類(β-Dグルカン類)について行われ、このうち、神戸薬科大学・難波宏彰教授が分画し「MDフラクション」と名づけβ-1.3D/β-1.6Dグルカンが広く使用されています。
●免疫調節・抗腫瘍作用
動物試験で「MD-フラクション」により細胞免疫(特にヘルパーT細胞)の賦活、B細胞の活性低下などなど免疫調節作用の可能性、マクロファージによる腫瘍壊死因子の産生増大など抗腫瘍効果の機序が提唱されています。現在、大阪警察病院副医院長(呼吸器科部長)、小牟田清博士は「MD-フラクション」投与による治験でガンの退縮効果と抗がん剤の副作用軽減を認めたことを第118年会日本薬学会(1998年4月)で発表しています。
●血糖値・血圧・脂質代謝促進作用
動物試験で「MD-フラクション」の血糖値降下作用、血圧降下作用、などが報告されています。これらの試験結果から、今後は対照を設定した本格的臨床試験が期待されています。
米国にみるマイタケ抽出成分の補完医療における可能性

■難宏彰先生のプロフィール
1942年生まれ。京都大学農学部で「ウイルスの増殖抑制」を学んだ後、1985年より神戸女子薬科大学(神戸薬科大学)にてマイタケの研究を開始し、免疫活性化物質「MD-フラクション」の抽出に成功。この業績により1995年、アメリカ代替ガン治療学会特別賞。2010年、世界初のグランド・ライナス・ポーリング賞を受賞。現在神戸薬科大学名誉教授、および同大学特別教授。京都大学農学博士。ニューヨーク・アカデミー・オブ・サイエンスのメンバー。マイタケ研究の第一人者として海外でも高い評価を受けている。
■書籍『がんと補完医療』著者:難波宏彰より
■書籍発行:2011年11月20日
アメリカンでは1980年代後半、私たちが発表を行こないはじめた直後から、がんの研究者や医師がMDフラクションに興味を示されました。1992年に、アメリカンがん治療財団の総院長だったマイケル・ウイリアム博士は、「MDフラクションは、もはや健康食品の域を超えて、『患者の免疫細胞を活性化する、薬剤レベルの物質である』」という評価をされました。
さらに、1994年10月19日付の「ニューヨークタイムズ」には、私たちのマイタケに関する一連の研究が、一ページにわたって「栄養学的および医学的に有用なキノコ」に関する特集のなかで掲載されました。 誌面には「野生のキノコのブーム到来。日本では、シイタケをはじめとする多くのキノコについて、免疫系を活性化したり、病気の予防を行なう研究が盛んである」と書かれていました。
そして「日本の科学者によって、ニワトリのトサカと呼ばれるキノコ(またの名をマイタケ)には、抗腫瘍(がン)性が認められているが、それとともに、このキノコには抗高血圧、抗糖尿病、そしてエイズ発症の本態であるHIVに対しても有効であることが報告されている」とあります。また、「このような有効性を持つマイタケは、いまや多くのアメリカン人たちに認められている」と書かれています。
実際に、アメリカンではがんの補完医療として、私たちが書いた特許製法でつくられたMDフラクションが、すでに3000人以上の医師によってがん患者に投与されていると聞きます。
しばらくアメリカンでがん治療に携わって来られた医師が日本に帰国後、がん専門病院に勤務されたとき、患者さんから「MDフラクションを使いたいのだが」と相談を受けたとのことでした。えっ、日本でも手に入るのですか?アメリカンでは使っていましたが」と驚かれたという話を後日聞きましたが、この先生はMDフラクションがアメリカンのものだと思い込まれていたのでしょう。
この一例からも、がん治療について補完医療も積極的に取り入れているアメリカンでは、がん患者や、医師もMDフラクションをよく知って使用されていることがわかりました。
世界有数のアメリカンのガン専門病院が臨床試験を実施
そんななか、2000年以降、ニューヨークにあるスローンケタリング記念がん研究所から、私の研究室に頻繁にEメールが届くようになりました。 スローンケタリング記念がン研究所、海外を含めて毎年80万人もの患者さんが訪れるという、世界でも最大規模を誇る最先端のがん専門病院です。もちろん、治療だけでなく、抗がん作用のあるさまざまな治療について臨床試験も行っており、ハーブや運動療法など積極的に新しい治療法を取り入れている病院でもあります。
そこから「あなたが発表されたマイタケ抽出成分の実験について、うかがいたいことがある。」というEメールが送られてきたのです。私は、MDフラクションの効果について関心を持たれているのだな、と思い、実験の方法や内容、結果などについて聞かれるままに細かく答えました。そんなやり取りの後、しばらく経ってからでしたが、アメリカン国防総省のホームページに、MDフラクションを用いた臨床試験を公式に行なうというニュースが掲載されました。
私たちが持つアメリカンのMDフラクションの特許によってつくられた物に、IND番号が付与されて、臨床学として用いる許可が与えられた、という内容でした。国防総省(ペンタゴン)が当初用意した助成金は約50万ドル。世界中に数多くあるさまざまな抗がん作用を持つと言われている物質のなかから、MDフラクションが選ばれたということは、それまで私たちが行なってきた動物実験で良い結果が出れば、近い将来、FDA(アメリカン食品・医薬品局)でMDフラクションが医薬品として承認される可能性がないとはいえないかもしれません。
私はその後、必要に応じてニューヨークまで行き、スローンケタリング記念がん研究所の医師や研究者たちと臨床試験についての意見をかわしました。スローンケタリング記念がン研究所でマイタケについて研究が進んでいることは、アメリカン厚生省のホームページで紹介されています。
※ 開発者の紹介とアメリカにおける活動についての解説です。効果・効能をうたうものではありません。
マイタケ(舞茸)の調理と摂取の仕方
アメリカで失明の最大原因である黄斑変性症が日本でも急増しています。眼科医療研究で発症原因はルテイン不足であることが解明されました。

生マイタケや乾燥マイタケを調理する場合は、なるべくマイタケの栄養素を逃さないように、工夫する必要があります。免疫力をあげる活性成分であるD−フラクションやべータ1.6グルカンは、熱湯で抽出される成分です。つまり、熱湯で茹でたりすると流れ出てくる成分です。ですから、茹でたお湯は有用な成分が含まれているので、捨てないで料理に利用することが大切です。
マイタケ(舞茸)を茹でたお湯は、椀物の出汁、煮物の出汁、お肉やお魚にかけるソースとして上手に使いましょう。一方、高血圧、高血糖値、高コレステロール値を低下させる有用成分は脂肪にとける物質です。つまり、油でいためると、その有用成分は、調理油の中に流れ出ていきます。さらに、マイタケ(舞茸)の抗肥満作用は、加熱すると弱くなります。
まとめてみますと、とにかくマイタケ(舞茸)を調理する時は無駄にするところなく、茹でたお湯も、フライパンに残った油も、丸ごと利用すること、そして加熱しすぎないことに注意すると良いでしよう。